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【新刊発売】『磁極告解録 殺戮の帝都』(ノベルゼロ刊)発売しました

先日、6月15日に新刊の小説『磁極告解録(じごくこっかいろく) 殺戮の帝都』がノベルゼロより刊行されました。

 

磁極告解録 殺戮の帝都 (Novel 0)

磁極告解録 殺戮の帝都 (Novel 0)

 

「磁律(ジリツ)」と呼ばれる異能技術の発見により、大きな変貌を遂げた戦前日本(をモチーフにした世界)、描かれる時代は昭和初期、磁律使いと呼ばれる異能使いが跳梁跋扈する大戦前夜の帝都を舞台に、異能テロリストを相手に殺戮の限りを尽くす内務省治安維持部隊「特殊検閲群」の活躍を描く血まみれのバイオレンス小説です。

これまで書いてきた著作のなかでは、最も血飛沫が乱れ飛び、文字通り血肉を削り合うバトルが繰り広げられる、B級アクション映画的な一作になったかと。

また本作は、電子書籍ストア-BOOK☆WALKERにて、電子書籍版も配信されています。

Kindle版は来月配信です。

bookwalker.jp

 

ある意味、先日刊行の「生存賭博」とは対極にある猥雑で暴力的な小説ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

吉上

新作長篇『生存賭博』が発売になりました。その他、近著まとめ

【新作長篇】「生存賭博」【発売しました】

というわけで、先日4月28日に久しぶりのオリジナル新作長篇『生存賭博』が新潮文庫nexより刊行となりました。

 

生存賭博 (新潮文庫nex)

生存賭博 (新潮文庫nex)

 

PSYCHO-PASS』ノヴェライズシリーズであったり、短編のアンソロジー収録などはあったものの、オリジナルでの新作長篇というのが、デビュー作の『パンツァークラウン』以来、実に三年ぶりとなってしまいました。

長らくお待ちくださっていた皆様の手に届けば幸いです。

さて、本作については、発売から間もないこともあり、ネタバレにならない範囲で内容紹介を。

生か、死か。その命を賭け、全てを手に入れろ。
二十世紀後半、ドイツ中部の地方都市に突如出現した怪物“月硝子(ディブーム)”。同市に隔離された市民は、五十年の時の中で、人間と怪物の戦いをギャンブル「生存賭博」として娯楽産業化した。賭けで生計を立てる少女、琉璃=A・ミュンヒハウゼンはある日、謎の甲冑騎士が月硝子を壊滅させたことを知る。それは狂乱を貪る都市の崩壊を告げる事件だった……。極限の欲望を描く、近未来エンタメ。

――以上、新潮社サイト掲載のあらすじより。

というわけで、本作は架空のドイツの隔離都市を舞台に、バイオレンス/ギャンブル/サバイバルバトル/肉弾戦+頭脳戦など、デビュー作以来、執筆してきた技術力をすべて注ぎ込んで書き上げたエンターテイメント小説です。また表紙は、hukeさまにご担当いただきました。とても光栄です。

それでは、本書「生存賭博」を、どうぞよろしくお願いいたします。

※なお、本作については暫く後に、あとがき代わりに参考資料や、執筆にあたってのエピソードなどをこのブログでまた書くつもりです。

 

【次作長篇】『磁極告解録』(仮称)【鋭意改稿作業中】

 そして新作長篇が出た直後ではありますが、次作となるオリジナル長篇小説が6月にノベルゼロより刊行予定です。

磁極告解録 (Novel 0)

磁極告解録 (Novel 0)

 

こちらは現在、初稿を仕上げて改稿作業中。架空の昭和時代を舞台にした異能バイオレンス小説といった内容です。

詳細はまた後ほど。

 

【既著】「PSYCHO-PASS」ノヴェライズシリーズ/短篇【一覧】

実は、このブログを一年ほど放置していた間(というか昨年ですが』も、長篇小説が3冊とアンソロジー収録の短編小説を刊行しております。

 

PSYCHO-PASS GENESIS 1 (ハヤカワ文庫 JA ヨ 4-6)

PSYCHO-PASS GENESIS 1 (ハヤカワ文庫 JA ヨ 4-6)

 

 

 

PSYCHO-PASS GENESIS 2 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASS GENESIS 2 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 

PSYCHO-PASS GENESIS 3 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASS GENESIS 3 (ハヤカワ文庫JA)

 

 TVアニメ『PSYCHO-PASS』の本篇へ繋がる前史時代を描く長篇スピンオフシリーズですが、全4巻完結予定で現在、3巻まで刊行。最終4巻は年内には刊行予定です。

1・2巻ではTV1期シリーズに登場した執行官「征陸智己」の青年時代を主人公とし、法制度の大転換期の混乱を描き、3・4巻ではそれよりさらに過去の時代に飛び、本スピンオフシリーズのオリジナルキャラクターである女性麻薬捜査官「真守滄」を主人公とし、シビュラシステム完成の根源に迫ります。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

また、これ以外にもオリジナルの「料理」を主題とした短篇SF小説「未明の晩餐」が『伊藤計劃トリビュート』に収録されております。

 

伊藤計劃トリビュート (ハヤカワ文庫JA)

伊藤計劃トリビュート (ハヤカワ文庫JA)

 

 こちらは第二長篇として予定していたものを短編化したため、いつか連作短編などでシリーズ化したいと考えてはいるのですが、それはまた今後の展開次第ということで。

 

というわけで以上、新作から近著作まで紹介いたしました。

どの小説も全力を賭して書き上げております。興味をお持ちいただけたら、どうぞご一読くだされば幸いです。

 

吉上亮 拝

【長らくご無沙汰】新刊と最近のお仕事情報【すみません】

【新刊情報】

○新刊『PSYCHO-PASS ASYLUM 2』(早川文庫JA)発売

TVアニメ『PSYCHO-PASS』のスピンオフノヴェライズ第2巻『PSYCHO-PASS ASYLUM 2』が、都内など早いところでは、明日11/21より、発売となります。

本作には、SFマガジン掲載の弥生・志恩篇に加え、書き下ろしで宜野座伸元篇が収録されます。また、あとがきで、前巻『PSYCHO-PASS ASYLUM 1』収録のグソン・縢篇を含む各篇への著者コメントを添えております。

どうぞ、よろしくお願い致します。

↓書影は下記のリンクから。鮮やかな白い表紙に弥生と宜野座(若)が目印です↓


PSYCHO−PASS ASYLUM 2:ハヤカワ・オンライン

 

Amazonからの購入はこちらから↓

PSYCHO-PASS ASYLUM 2

PSYCHO-PASS ASYLUM 2

 

 

【イベント出演情報】

今月の27日に、五反田の「ゲンロンカフェ」で開催されるイベント「大森望のSF喫茶」にゲスト出演いたします。自著作についての話もしつつ、今後の「PSYCHO-PASS」スピンオフノヴェライズの情報や、これまでの連載内容の裏話などを始め、様々に話す予定です。

※質問タイムに、色々とお答えできればと思いますので、「ここは聞いておきたい!」などありましたら、ぜひどうぞ。

 

【大森望のSF喫茶 #10】 大森望×吉上亮「パンツァークラウンからPSYCHO-PASSへ――ポストサイバーパンク、現在進行形」 @nzm @ryoshigami | Peatix

 

【既刊/寄稿/雑誌掲載情報】

…というわけで、すっかり放置している間に色々と本が出たり、短篇を寄稿などさせていただきましたので、順番にご紹介を。

○『PSYCHO-PASS ASYLUM 1』(早川文庫JA)発売中です。

すでに2巻が出てしまうタイミングですが、9月にTVアニメ『PSYCHO-PASS』のスピンオフノヴェライズ第1巻『PSYCHO-PASS AYLUM 1』(早川文庫JA)にて刊行いたしました。お陰さまで三刷。2巻で本シリーズを知った方も、未読の方も是非ご一読ください。チェ・グソン篇/縢秀星篇を収録しております。

PSYCHO-PASS ASYLUM 1 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASS ASYLUM 1 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

○『楽園追放 rewired サイバーパンクSF傑作選』(早川文庫JA)に短篇『パンツァークラウン レイヴズ』を寄稿いたしました。

 今月公開された劇場SFアニメ作品『楽園追放 Expelled from paradise』(監督:水島精ニ/脚本:虚淵玄)と連動し、10月に刊行されたアンソロジー集『楽園追放 rewired サイバーパンクSF傑作選』に、短篇『パンツァークラウン レイヴズ』を寄稿いたしました。昨年に刊行した拙著『パンツァークラウン フェイセズ』(全三巻/早川文庫JA)の前日談となる内容で、極度に情報化された都市に翻弄される少女の地獄巡りの物語となっております。どうぞ、よろしくお願い致します。

 

 

○『S-Fマガジン11月・12月号』に『PSYCHO-PASS』ノヴェライズが掲載されました。

TVアニメ『PSYCHO-PASS』のスピンオフノヴェライズ弥生・志恩篇の前後篇が、それぞれ『S-Fマガジン11月・12月号』が掲載されました。これにて5ヶ月連続連載は一区切りとなります。初の連載ということで難儀することもありましたが、多くのことを学べました。ありがとうございました!

なお、弥生・志恩篇は、11/22発売の『PSYCHO-PASS ASYLUM 2』に大幅改稿のうえ収録されておりますので、ご興味を持った方は、単行本のほうをどうぞ。

S-Fマガジン 2014年 11月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2014年 11月号 [雑誌]

 

 

S-Fマガジン 2014年 12月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2014年 12月号 [雑誌]

 

 

また、12月発売の『S-Fマガジン』にて、TV本編一期登場の主要キャラクター「征陸智己』の青年時代を描く『PSYCHO-PASS GENSIS』第一部の予告篇が掲載される予定です。こちらは、また後ほど、詳細をお伝えいたします。

 

iOS/Androidアプリ『妖怪百姫たん!』でストーリー構成とメインシナリオを担当させていただきました。

次は、少し毛色が変わってゲームシナリオのおはなし。

縁あって、KADOKAWA エンターブレイン・ブランドカンパニーよりリリースされたiOS/Androidアプリ『妖怪百姫たん!』のストーリー構成とメインシナリオを担当させていただきました。美少女妖怪が登場するゲームアプリですので、普段の作風と較べ、かなり明るく楽しい内容となっておりますが、現在作業中の追加シナリオは、何だかいつもどおりなテイストになりつつある気が…。

とはいえ、ゲームシステムがなかなか面白いですので、ご興味を持たれたらどうぞ!


ボイスつき妖怪憑依RPG「妖怪百姫たん!」公式サイト

 

以上となります。何だかんだ今年の後半は、けっこう仕事をした気が…。

ではでは、また。

 

吉上 拝

【お知らせ】S-Fマガジン10月号にて「PSYCHO-PASS」ノヴェライズ第3回掲載&総火演に行ってきました【雑記】

【雑誌連載のお知らせ】

8月25日発売のSFマガジン10月号にPSYCHO-PASSノヴェライズ第3回縢篇『レストラン・ド・カンパーニュ』が掲載されます。

今回は、前二回と打って変わって、明るいSFディテクティブものといった内容で物語は展開しつつ、縢がいかに料理好きになったのか――そのキッカケを描きます。

大事なことなのでもう一度言いますが、グソン篇と正反対に明るい内容ですので、暴力沙汰が苦手な方も是非どうぞ!

それにしても縢秀星というキャラクターは、陰になり得る状況下で陽であることを捨てなかった人間なのだなあ、と書いていながら思いました。読者のみなさまにお楽しみいただけると幸いです。

そうそう、今月の特集は、P.K.ディック特集ですよ!

みなさんお気に入りのディック作品は何でしょうか?

ちなみに僕は、『スキャナー・ダークリー』が大好きです!

S-Fマガジン 2014年 10月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2014年 10月号 [雑誌]

 

 

総火演に行ってきました】

本日は、もう一件、更新を。

昨日の23日に美少女ゲームブランド「アージュ」さまのご厚意で、富士総合火力演習の見学に行ってきました。

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※写真は74式戦車。演習後の装備展示で撮影させていただきました。

 

悪天候ながら、ヘリの空中機動や機関砲の掃射、そして何より10式戦車主砲の砲撃の轟音と衝撃は、身体が反射的に竦んでしまう凄まじさ!

また装備展示の際に、装甲車などに触れさせていただきましたが、「装甲板」がまさしく鉄の塊であることを実感させる密度。実物を目にすることで得られる「リアリティ」を存分に堪能させてきただきました。

 

改めまして、この度、こうした機会を与えていただいたアージュさま、ありがとうございました!

 

吉上

 

 

【お知らせ】パンツァークラウン外伝小説再販【夏コミ情報】

【お知らせ】パンツァークラウン外伝小説再販【夏コミ情報】
 
先ほど今月号に載る原稿の修正作業がひと段落しましたので、夏コミ情報のお知らせです。
ええと、実は、夏コミに当選しておりまして、3日目西2ホール”い”29a「Sans-Boundaries」でサークル参加いたします。
頒布物についてですが、
自著作の非公式短篇小説「パンツァークラウン レイヴズ」を頒布します。
前回の冬コミでは、早々に売り切れてしまい、再販要望なども受けていましたので、既刊ではありますが、再販をいたします。
 

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■夏コミ情報
 
【頒布物】
小説「パンツァークラウン レイヴズ」
 ※冬コミで販売した小説の再販です。
 
【サークル名】

Sans-Boundaries

【ブース番号】
3日目8月17日(月)西2ホール“い”ブロック29a
 
【サイズ/ページ数】
新書版2段組み:52ページ(表紙含む)
 
【頒布価格】
500円
 
【あらすじ(裏表紙より)】
ひとりでいるのは嫌。でも誰かと深く関わるのもまっぴらご免だ――。
完全な繁栄を謳歌する都市イーへヴンに暮らし、巡り合った相手と気ままな一夜限りの縁を結ぶ少女、御手洗憧(みたらいあこ)には幼くして父を喪い母に捨てられた過去があった。
母との一〇年ぶりの再会をきっかけに父の死の真相を探ることになった憧は、過去への遡及の果てにおぞましき〝真実〟に辿り着く――。
ハヤカワ文庫JA刊『パンツァークラウン フェイセズ』の著者による書き下ろし非公式外伝。
 

↓↓↓下記リンクよりサンプル版を閲覧できます。↓↓↓

https://dl.dropboxusercontent.com/u/69832552/Samples/THE%20PANZER%20CLOWN%20RAVES%20SAMPLE.pdf

 
拙著「パンツァークラウン フェイセズ」の非公式外伝小説となります。
主人公は、ピーターらに協力するテロリスト集団〈七羊〉のひとり「御手洗憧」。彼女がいかにして都市の敵となったのかを描く短編小説です。
本編を既読の方は勿論、未読の方も楽しめる内容になったかと思います。
PSYCHO-PASS」から、吉上をお知りになった方にも、是非読んで頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします。
また表紙はフルカラーで〈黒花〉(乗の素顔公開ver.)となります。
「パンツァークラウン フェイセズ」3巻の表紙イラストをご担当いただいた撫荒武吉(@nadearabukichi)さんが以前にTwtterにアップされていた画像を、許可をいただき使用させていただきました。ご厚意に感謝いたします。
 
■雑誌掲載情報
 
 8月25日発売予定のSFマガジン10月号に「PSYCHO-PASS」ノヴェライズの第三回「縢秀星篇」が掲載予定です。
近々、単行本についても情報が出るかと思いますので、もう少々お待ちください。
 
 
 

【お知らせ】S-Fマガジン9月号にて「PSYCHO-PASS」ノヴェライズ第2回掲載&今回のノヴェライズについて【雑誌連載】

【新作連載のお知らせ】

 

7月25日発売のSFマガジン9月号にPSYCHO-PASSノヴェライズ第二回『無窮花』後篇が掲載されました。先月の前篇と合わせ、グソン篇はこれにて完結となります。

内容としては、前篇を引き続きつつも、日本篇ということでサイバーパンク/ハードボイルド/バイオレンスのごった煮といった風情で物語が展開し、グソンが槙島と邂逅するまでを描きます。
ちなみに来月の10月号には縢篇が掲載予定。9月に単行本が発売予定です。こちらは続報をお待ちください。
 
 
 
S-Fマガジン 2014年 09月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2014年 09月号 [雑誌]

 

 

 
というわけで、まだまだPSYCHO-PASSノヴェライズは続くわけですが、グソン篇完結がひとつの区切りとなったので、色々と書いておきたいこともあるという次第です。
 
そもそも僕が、PSYCHO-PASSノヴェライズの依頼を受けたのが昨年の8月――ちょうどデビュー作の『パンツァークラウン フェイセズ』3巻をようやく書き上げ、刊行に至ってすぐ、早川書房塩澤氏から「『PSYCHO-PASSのノヴェライズって興味ありますか?」と訊かれたのが始まりでした。
 
実のところ、僕は放映当初から興味は持っていたのですが、諸々あって、この時点ではまだ未視聴でした。
しかし、虚淵玄深見真共同脚本の作品なのです!
僕は、高校一年の頃に雑誌表紙で『斬魔大聖デモンベイン』のアル・アジフとデモンベインと出会って以来のNitro+ファンであり、虚淵玄作品もPhantom/ヴェドゴニア鬼哭街沙耶の唄/続・殺戮のジャンゴ…とプレイして、そのハードな世界観に否応なく影響を受けました(※特に僕は『吸血殲鬼ヴェドゴニア』『鬼哭街』の影響がとても強い)。一方で深見真作品も、高校時代に『ヤングガン・カルナバルシリーズに触れて以来、『ゴルゴダ』『疾走する思春期のパラべラム』『 ロマンス、バイオレンス&ストロベリー・リパブリック』『ブラッドバス』……と上げれば数えきれないほどで、両氏の作品群は、今の僕にとって血肉の多くを占めているのです。
 
…話が脇道に逸れてしまいましたが、そんなわけで『PSYCHO-PASS』が両氏の作品であることは知っており、即答したわけです。無論、「やらせてください!」と。
そして、すぐさま本編を視聴し、最初の打ち合わせに望んだとき、まず提示したプロットが、確か…チェ・グソン/泉宮寺豊久/唐之杜志恩だったように記憶しています。振り返ってみると、ノヴェライズ主人公の三人中二人が敵側の部下であり、しかも両者とも途中で死亡している人物であったわけです。ただし、これには理由がありました。僕が「PSYCHO-PASS」を小説化するにあたり「PSYCHO-PASSの世界」を描くべきと判断していたからです。たとえばチェ・グソンは国際情勢/泉宮寺豊久はシビュラ統治社会確立の経緯…といった具合に。
※とはいえ、彼らに魅かれていたという部分もなきしにもあらずなのですが…。
その後に、改めてグソン/縢/志恩・弥生/征陸と他二篇の計6編のプロットを提出し、そこから検討して連載内容をというつもりが、いつのまにか6編すべてを書くことになり、「え…あの? おお! やったる!!!」と相なって、現在のSFマガジン連載と12月の書下ろし単行本という怒涛のPSYCHO-PASSシフトへと繋がるわけです。
 
※なお、昨年の六本木のオールナイト上映会で端っこにいたのですが、あの不眠不屈の戦いのすえに、征陸の物語は発想しました。
※ちなみに、余談ですが狡噛慎也常守朱槙島聖護の三者は、本編でこそ語られるべき人物たちと思い、最初からノヴェライズの主人公としては除外していました。
※また、上記のテーマからいくと、あとひとり「書くべき男」がいるわけですが、これについては、まあ…どうなんでしょう。奴、書きたいいんだけどなあ…。
 
というわけで、チェ・グソンという男は、全6編のうち、最も初期からノヴェライズの主人公として想定されていたのです。これは完全にこちら側から提案したもので、まさか自分もグソンからノヴェライズを始めることができるとは、当時、想定していませんでしたが、結果的に、彼からノヴェライズは始めるべきだったのだ、と現段階で感じています。
なぜなら、彼は〈外〉から来た人間であるから。物語の外に拡がる〈世界〉を知っているから。
先ほども書いたとおり、僕の役割は端的に言えば「PSYCHO-PASSの世界」を描くことであると定義しています。
アニメ本編では語り切れない、あるいは拡張可能性のある物語の断片たち、それを包み込む世界観――そういったものを考察し、解釈し、そして小説というフォーマットに出力する。
では、「PSYCHO-PASS」世界の中心が何かと言えば、それはシビュラ統治社会でしょう。二二世紀。今から一〇〇年後の未来。多くの歴史改変が起こり、現実とは違う、しかしある部分では地続きの未来社会。そこに段々と近づくために、PSYCHO-PASS世界の片隅に降り立ち、海を超え、耀く都市を間際に迫っていく…最初に書くべき物語に要請された主人公は、必然的にチェ・グソン以外に有り得なかったのです。この後の縢然り、志恩・弥生然り、征陸然り…誰もが書くべき物語に要請された登場人物たちなのです。また残り二編については、少し特殊な立ち位置のため、現時点では何とも言えないのですが、二つともある重要な人物と技術についての物語です。
 
SF小説とは、現実の世界をいかに考察し、独自の解釈を施し、新たな物語を生み出し、小説という形式に出力するものである、と考えています。その意味で、この「PSYCHO-PASSノヴェライズの作品群は、「PSYCHO-PASSの世界」をSFする小説ということになるのではないか、と。
まだ長い道程を歩み始めたばかりで、途中に様々なものと出逢い、認識や解釈が変化していくこともあるかもしれませんが、ひとつ見通せた道筋が、おそらくコレなのだと思います。
 
ええと、まあ、随分と長くなってしまいましたが、僕にとって今回のノヴェライズ企画は、著作が実質1作しかない新人作家にとって望外ともいえるチャンスであるわけです。本作を通し、読者のみなさまが楽しんでいただける小説を書き続けていくこと。そして、僕自身も成長していくことを、改めてここに決意するものとして、この文章を記します。
 
2014年7月27日   吉上亮 拝

【お知らせ】S-Fマガジン8月号にて「PSYCHO-PASS」ノヴェライズ第1回掲載【雑誌連載】

【新作掲載のお知らせです】

行動履歴の割に半年ぶりの更新ですが、新作掲載のお知らせです。

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本日6/25発売のS-Fマガジン8月号(早川書房)に「PSYCHO-PASS」ノヴェライズの第1回「PSYCHO-PASS LEGEND 無窮花(ムグンファ)前篇」が掲載されました。

 

作中登場人物「チェ・グソン」を主人公とした前後篇の前篇です。来月号の後篇と合わせて一つの話になりますが、前篇だけでも一旦、完結しています。

近未来の朝鮮半島を舞台にしたサスペンス&バイオレンスな内容になっています。

 

9月に連載分はまとめて単行本化される予定ですが、ご興味のある方は、ぜひ書店へどうぞ!

http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/721408.html

 

もろもろ、書きたいことはあるのですが、これらはまとめて今週末にでも、改めて記事をアップしますので、少々お待ちを。

吉上亮 拝