33度目の誕生日を迎えて

今日2月18日で誕生日を迎え、33歳になりました。

30を過ぎてから「今何歳だっけ…?」と曖昧になることも多いのですが、やはり誕生日を迎えると嬉しい気分になります。

僕は「3」という数字が特に好きなので、「3」と「3」が重なる「33」歳というのは、その数字の並びを見るだけで何だか気分が盛り上がってきます。

前にも増してよい一年を積んでいけるようにするぞ、という所存です。

 

というわけで、誕生日で「歳」を跨いだということで、昨年末は色々忙しく「年」を振り返ることが出来ていなかったので、この機会に。

 

昨年2021年(そして32歳)は、色んな意味で「待つ」年であったなと振り返っています。

書いた小説の刊行を待つ、書いた脚本が映像作品になるのを待つ…作品づくりにおけるたくさんの「待つ」ことが特に多かった一年でした。

そういう事情もあってか、2020年末に来年の発表を予告していた作品の多くが、まだ読者の皆様のもとに届けられておらず、これについては本当に申し訳ない限りです。

 

僕はデビュー作からそうでしたが、とにかく書いたものが書いた途端に世に出る、というスパンで作品が発表されることが続いていたのですが(それだけギリギリまで毎回書いていたということでもあります)、脚本など必然的に書いてから映像作品が放映されるまで時間が空く媒体での仕事も経験しました。漫画原作の仕事も同じです。

 

それだけ多くの異なる作り手と協力して作品を造り上げていく場、というものに自分も足を踏み入れたのだと、最近は考えるようになりました。

 

小説もまた同じで、書かれてなお時間を経て世に発表される作品とは、それだけ多くの方が目を通し、チェックが入り、助言が入る。商業における作品づくりとは、そのようなものだと今さらに感覚しています。

 

書いたものが読者の皆様に届くまでがこれまでに増して時間が掛かってしまうことに心からお詫びしつつ、同時にそれだけクオリティに確信のあるものがお届けできると著者としては考えている次第です。

 

…といった言い訳もしつつ、2021年は短篇などは発表しつつ、長篇については待機状態が続いておりましたが、その分、今年2022年は多くの作品がリリースとなる予定です。

 

まず、すでに発表となっていますが、

4月より地上波放送予定のオリジナルTVアニメーション『ブラック★★ロックシューター DAWN FALL』にて、深見真さん(ストーリー構成・脚本)とともに、ストーリー構成協力・脚本として参加しております。

 

続いて今春、漫画原作・脚本を務め連載に向けて準備をしていたオリジナル漫画作品が、いよいよ発表となる予定です。詳報近日。

 

長らく取り組んでいるSF長篇『ヴェルト(仮)』も現在第一部の改稿目前にて、こちらも今年からシリーズが発表していけるはず。

 

また新たな表現媒体にて、自分が原作・脚本を務めるオリジナルシリーズの制作が進んでいます。チーム全体にとても勢いのある楽しい企画です。発表は夏頃を予定。

 

この他、ゲラのチェック待ちの長篇もあり、こちらも遠からず発表できると思います。

 

いわゆる連載形式での仕事が増え、並走状態で作品づくりに取り組むようになりました。なので、1月から〆切が連続して続き、いきなり苦しい! しかしありがたいことです。

作家は作品を世に発表することでようやく息継ぎができて生きていける職業です。

 

昨年に潜った分の成果が、今年、多く読者の皆様に届けられますように。

33度目の一年を、作家・吉上亮として引き続き精進してまいります。

どうぞご期待ください。

 

2022年2月18日 吉上亮 拝

 

 

 

妖怪百姫たんのこと

先日、スマホ向けソーシャルゲーム『妖怪百姫たん!』のサービス終了が、ゲームを運営するマイネットさまより発表となりました。

 

「百姫たん」は、実は僕がエンターブレイン(正確にはKADOKAWAなんですが)で働いていた頃に開発に関わり、作家デビューに伴い退社してからも、主にメインシナリオの執筆など外部ライターとして運営に関わっていたタイトルでした。

 

その後、運営がKADOKAWAからマイネットさまに移管され、しばらく離れていたのですが、昨年からSF作家・柴田勝家さんと共同執筆というかたちで、再びメインシナリオの執筆に携わっていました。

 

「百姫たん」のサービス開始は、僕が作家デビューしてからほぼ一年半後だったので、自分は作家業を続ける傍ら、最初期のキャリアとして関わっていたタイトルが長く続いていることをそれとなく眺めていました(親戚の近況を聞くような感じ)。

 

そうしたなかでのサービス終了の連絡を頂きました。

残念な気持ちはありながらも、まずは長期に渡るサービス運営にかかわったすべてのスタッフのみなさま、本当にお疲れ様でした。

 

 

というわけで、僕が「百姫たん」で書いたシナリオは以下になります。(作業フォルダを久しぶりに掘って確認しました。幾つか抜けがあるかもしれませんがご了承ください)。

※基本的に特記事項がなければ単独シナリオです。

 

■メインシナリオ

・第一部「百姫巡逢篇」:関東・中部・四国・近畿(ここまで初期実装)、東北・九州(プロットのみ)・中国・帝都(一部共同脚本)

 

・第二部:「百世転生篇」:第一章・第二章・第三章・第四章・第五章・第六章・第七章

 

・第四部:「百代神変篇」:第一章・第二章(ともにSF作家・柴田勝家さんと共同脚本)

キズナ譚(キャラクターシナリオ)

・メイン、ゲストキャラクター、ボスなど一部のキャラクターのみ

 

■コラボシナリオ

・「のんのんびより りぴーと」コラボシナリオ・キズナ譚(がんばって全部書いたのんな)

・「ハッカドール」コラボシナリオ・キズナ

・「教えて!ギャル子ちゃん」コラボシナリオ・キズナ

 

■妖怪セリフ

・初期実装妖怪(一部、別ライターにお任せしたものもあった気がするのですが、初期分は書いたはず)

・追加妖怪については適宜(第二部までは主に各章のゲスト妖怪、敵キャラ含めてセリフを書いていた記憶があります。第四部はボスキャラ中心に勝家さんと共同)。

 

これ以外に、第一部・第二部ではエリアマップの場所・地名選定・シナリオサブタイトルなども担当しました(これをやっていたおかげで今でも僕のGooglemapには全国都道府県の霊場・妖怪伝承の土地がピン止めされ過ぎてます。地図をズームアウトすると日本列島が「☆」で埋まる)。

 

あとは主に初期実装分の妖怪については、セリフの音声収録の立会いとディレクションもしました(1キャラ5ページくらいでも100体以上あったので収録台本がすごい厚さになりました)。

 

「百姫たん」は、主人公「あるじ」が美少女妖怪たちと全国を冒険しながら絆を深めていく…というエンタメの王道的なストーリーでした。

 

自分が当初、シナリオ執筆で意識していた主題は「旅」、旅を通して出会い繋がれていく妖怪との「親愛」、消えゆく伝承への「記憶」、かけがえのない相手との「別離」、そして旅の終わりに抱く「再会」への希望。

 

…などと、色々と書いているときは考えていたのですが、最終的には作品のキーワード、ゲームシステムの根幹にもなっている「キズナ(絆)」なのだと思います。

 

あるじと猫又、犬神、河童のキズナ。ともに冒険した妖怪たちとのキズナ。時には敵対する相手とさえも結ばれるキズナは、「絆」という言葉よりももう少し広い範囲・意味を持つ言葉になりました。

 

誰かと誰かが交わることで生じる繋がりは、僕たち人類にとっても根源的なもので、ひょっとすると、「妖術百姫たん」が長きにわたり多くのあるじ(ユーザー)に愛され、遊ばれ続けたのは、そういう理由もあったのかもしれません。

 

僕自身、「百姫たん」に込められた「キズナ」という普遍的なテーマのおかげで、とても長い物語を書かせてもらいました。

とても得難い経験でした。

 

シナリオライターとしての自分としては、第一部・第二部を書き終えた時点で、自分が「百姫たん」で書ける「あるじ」の物語は全部書いた、と思いました。

ですが、その後に別の方のもとで新たな物語が紡がれました。

そして再び自分が勝家さんとともに「百姫たん」に関わるとき、そこには新たな物語、旅の行く先が見えるようになりました。

 

これを結末まで書けなかったことは残念ですが、どこかまた別の作品へ自分のなかで繋いでゆければと思っています。

 

改めまして、すべてのあるじの皆様に記して御礼申し上げます。

まことにありがとうございました。

開発・運営に携わったすべてのスタッフのみなさま、まことにお疲れ様でした。

 

吉上亮 拝

 

 

『PSYCHO-PASS サイコパス3〈C〉』について

TVアニメ『サイコパス3』のノベライズシリーズ『PSYCHO-PASS サイコパス3〈C〉』が発売になりました。いつもご愛読ありがとうございます。

 

本作について幾つか誤植がありましたので、現時点で確認されているものをこちらに列挙いたします(随時更新予定です)。

■最新更新:2020/09/20

 

・【主な登場人物】について

主要キャラクターのひとり「須郷徹平」が冒頭の登場人物一覧に記載されていないミスが確認されています。無論ですが、行動課の狡噛、宜野座の次にクレジットされているのが正しいです。

須郷は行動課捜査官であり、元執行官である、これまでの各作品にも繰り返し登場している、言うまでもない「主要キャラクター」です。今回のCでは彼の視点シーンもあるので、当然、登場人物としてクレジットされてしかるべき人物です。

 

合わせて、行動捜査官、宜野座伸元の記述末尾の句点が「。。」となっているのも誤植です。句点「。」ひとつだけが正しいです。

 

なお、SNSにもすでに書きましたが、【目次】や【主な登場人物】など本文以外の項目は編集部・出版社側に制作を一任するかたちになっているため、著者側での確認が本の完成まで行えず、上記のような本文外の誤植を事前に把握することができませんでした。

今後は、こういったミスが起きないよう制作フローの再確認を調整していければと考えています(今回のケースだけに限らず)。

 

・P369

11行目の記述

誤「私情と責務」

正「責務と私情」

 

以上、現時点で確認できている誤植箇所です。

修正対応などは今後、増刷時などに対応させて頂ければと思います。

 

 

引き続きよろしくお願いいたします。

 

吉上亮

【新作長編「泥の銃弾」、刊行】

★★★新刊が出ました。★★★
長篇小説「泥の銃弾」、新潮文庫より上下巻同時刊行です。

帯コメントは翻訳家/書評家・大森望さまより、

「まさに超弩級。戦火のシリアから五輪のトウキョウまで、現代をまっすぐに撃ち抜く、日本エンターテインメントの極大射程。」

の評。

本作の物語を、この上なく的確に表して頂きました。記して御礼申し上げます。

泥の銃弾(上) (新潮文庫 よ 40-51)

泥の銃弾(上) (新潮文庫 よ 40-51)

 

 

泥の銃弾(下) (新潮文庫 よ 40-52)

泥の銃弾(下) (新潮文庫 よ 40-52)

 
 「武器を持たない」日本人記者と「完全武装の」難民傭兵のバディが、2020年の東京を駆ける――。
舞台は、難民を受け入れる選択をした、すぐ近くの未来の日本。
2020年の東京オリンピックを控えた、東京・千駄ヶ谷の新国立競技場で、都知事が難民テロリストによって狙撃された――。
本作の主人公は、全国紙の社会部若手エース記者だった男、天宮理宇。
天宮は、〈都知事狙撃事件〉が起きたその瞬間を、まさに目の前で目撃し、事件の当事者となった。その真実を明らかにしようとする天宮は、その取材成果により全社を挙げた〈都知事狙撃事件〉の報道プロジェクトを立ち上げるまでに至るも、警察の事件捜査は、ある理由から強引に終結してしまう。
それでも真相を暴こうとする天宮は、報道方針を巡って所属する新聞社と対立、独自に事件の真相を追うために退職を余儀なくされる。かくして、フリージャーナリストとなり、再び〈都知事狙撃事件〉を追い始めた天宮は、真実を追い求めるその孤独な取材の道程をたったひとりで歩み始める。
そんな天宮のもとに、「おれは〈都知事狙撃事件〉の真犯人に関する重要な手がかりを知っている――」という情報提供がもたらされる。
男の名は、アル・ブラク
東京に隠れ潜む難民である彼は、携帯電話越しの会話以外、その正体、その居場所さえも分からない謎の情報提供者だった。しかし彼もまた、天宮と同じく〈都知事狙撃事件〉の真実を明らかにするため、事件を追跡していた。
「俺には……、〈都知事狙撃事件〉しか残されていないんだ」
「……だとすれば、おれとあんたの利害は完璧に一致している。この上なく完璧にな」
天宮とアル・ブラクは、そして「事件の真相を暴く」というたったひとつの目的ゆえに手を組むことを選択する。
事件の真相を追う、彼らの眼差しのその先には、日本政府が押し進めた〈難民政策〉が招いた社会の歪みに翻弄される数々の難民たち、そして警察や公安、報道機関…数多の勢力が秘める、それぞれの思惑が、〈都知事狙撃事件〉という前代未聞のテロ、その真実を巡って幾重にもに交錯していた――。


……という筋書きどおり、今回の新作は、「難民を受け入れた日本」というSF的な設定以外は、現実の世界、現在の日本と国際情勢が主題となるサスペンス長篇、政治・軍事・報道・国際情勢に跨る冒険小説となりました。

とはいえ、日本政府が今年から労働力としての移民受け入れを決定するなど、想像していたよりもはるかに早く、未来が現実になったこともあり、色々な意味で「現代小説」になりました。

 

これまでSF文芸で学んできた「SFの視線」と、「サイコパス」や「メタルギアサヴァイヴ」、「ジョジョ」「封神演義」の仕事で学んだ「エンタメの精神」。その双方を組み込んだ、「SFの手法で書いた現代エンタメ小説」になったのではないかと思っています。

 

上下巻合算のページ数は、約900ページ。原稿用紙換算だと単純計算で約1000枚くらいになるので、結構な大長篇です。
デビュー作の「パンツァークラウン」のときは全3巻を3ヶ月連続連続刊行だったこともあり、オリジナルの長篇になると、何かと複数巻に跨ることが多いですね。

 

実際、企画の始まりから今日の刊行までに三年くらい掛かってしまいました。「サイコパスSS」の脚本や、「メタルギアサヴァイヴ」などの仕事の傍ら、延々と本作の原稿を書き続けていました。なので、2017年と2018年は、オリジナルの小説が出なかったり、表に出る仕事の量が少なかったのでした。

 

初稿が完成したのが去年の3月、そこからまた1年間ほど改稿作業をしていたので、去年に出た「ジョジョ」や「封神演義」の小説は、書いた順番で言うと、実は、この「泥の銃弾」よりも後になります。

 

今回の「泥の銃弾」や今年1月に公開になった「PSYCHO-PASS|SS case.1 罪と罰」の脚本など、実際に仕事をした時期と世に送り出されるタイミングで結構なタイムラグがあったりするので、最近は「これはいつ発表できるのかな…」と思いながら、黙々と仕事をすることが増えました。

 

とはいえ、期せずして、連続するタイミングで、「サイコパスSS」や今回の「泥の銃弾」が世の中に出ていくこともあり、ようやく報われたなあ…という気持ちになります。

 

今回の新作長篇「泥の銃弾」は、僕にとって、「小説を書くこと」、「書いた作品が出版されること」の困難さと、それに勝るとてつもなく大きな喜びを、改めて実感させてくれる大切な一作になりました。

 

思えば、6年前――2013年に24歳でデビューして以来、毎回、どうすれば面白い物語、読んで驚きのある小説を書けないかと悪戦苦闘しながら、どうにか作家業を続けてきました。

 

本作、「泥の銃弾」は、その意味でも、デビュー以来、有難いことに作家・吉上亮を追いかけてきて下さった読者の皆様に、「ようやく、これだけの小説が書けました」と言えるだけのものが書けたのではないかと思います。

同時に、「サイコパスSS」を通じて、作家・吉上亮を知った新しい読者のひとたちにも、「これが吉上亮の小説です」とお見せできるものになったと思います。

 

面白い小説が書けました。
そして、これからもっと面白い小説を書いていこうと思います。

 

新刊「泥の銃弾」、新潮文庫より、上下巻同時刊行にて、全国書店、ネット書店にて発売中です。
電子版も、少し遅くなってしまいますが、配信されるそうです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

2019年 3月 仕事場にて
吉上亮 拝

【新刊発売】『磁極告解録 殺戮の帝都』(ノベルゼロ刊)発売しました

先日、6月15日に新刊の小説『磁極告解録(じごくこっかいろく) 殺戮の帝都』がノベルゼロより刊行されました。

 

磁極告解録 殺戮の帝都 (Novel 0)

磁極告解録 殺戮の帝都 (Novel 0)

 

「磁律(ジリツ)」と呼ばれる異能技術の発見により、大きな変貌を遂げた戦前日本(をモチーフにした世界)、描かれる時代は昭和初期、磁律使いと呼ばれる異能使いが跳梁跋扈する大戦前夜の帝都を舞台に、異能テロリストを相手に殺戮の限りを尽くす内務省治安維持部隊「特殊検閲群」の活躍を描く血まみれのバイオレンス小説です。

これまで書いてきた著作のなかでは、最も血飛沫が乱れ飛び、文字通り血肉を削り合うバトルが繰り広げられる、B級アクション映画的な一作になったかと。

また本作は、電子書籍ストア-BOOK☆WALKERにて、電子書籍版も配信されています。

Kindle版は来月配信です。

bookwalker.jp

 

ある意味、先日刊行の「生存賭博」とは対極にある猥雑で暴力的な小説ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

吉上

新作長篇『生存賭博』が発売になりました。その他、近著まとめ

【新作長篇】「生存賭博」【発売しました】

というわけで、先日4月28日に久しぶりのオリジナル新作長篇『生存賭博』が新潮文庫nexより刊行となりました。

 

生存賭博 (新潮文庫nex)

生存賭博 (新潮文庫nex)

 

PSYCHO-PASS』ノヴェライズシリーズであったり、短編のアンソロジー収録などはあったものの、オリジナルでの新作長篇というのが、デビュー作の『パンツァークラウン』以来、実に三年ぶりとなってしまいました。

長らくお待ちくださっていた皆様の手に届けば幸いです。

さて、本作については、発売から間もないこともあり、ネタバレにならない範囲で内容紹介を。

生か、死か。その命を賭け、全てを手に入れろ。
二十世紀後半、ドイツ中部の地方都市に突如出現した怪物“月硝子(ディブーム)”。同市に隔離された市民は、五十年の時の中で、人間と怪物の戦いをギャンブル「生存賭博」として娯楽産業化した。賭けで生計を立てる少女、琉璃=A・ミュンヒハウゼンはある日、謎の甲冑騎士が月硝子を壊滅させたことを知る。それは狂乱を貪る都市の崩壊を告げる事件だった……。極限の欲望を描く、近未来エンタメ。

――以上、新潮社サイト掲載のあらすじより。

というわけで、本作は架空のドイツの隔離都市を舞台に、バイオレンス/ギャンブル/サバイバルバトル/肉弾戦+頭脳戦など、デビュー作以来、執筆してきた技術力をすべて注ぎ込んで書き上げたエンターテイメント小説です。また表紙は、hukeさまにご担当いただきました。とても光栄です。

それでは、本書「生存賭博」を、どうぞよろしくお願いいたします。

※なお、本作については暫く後に、あとがき代わりに参考資料や、執筆にあたってのエピソードなどをこのブログでまた書くつもりです。

 

【次作長篇】『磁極告解録』(仮称)【鋭意改稿作業中】

 そして新作長篇が出た直後ではありますが、次作となるオリジナル長篇小説が6月にノベルゼロより刊行予定です。

磁極告解録 (Novel 0)

磁極告解録 (Novel 0)

 

こちらは現在、初稿を仕上げて改稿作業中。架空の昭和時代を舞台にした異能バイオレンス小説といった内容です。

詳細はまた後ほど。

 

【既著】「PSYCHO-PASS」ノヴェライズシリーズ/短篇【一覧】

実は、このブログを一年ほど放置していた間(というか昨年ですが』も、長篇小説が3冊とアンソロジー収録の短編小説を刊行しております。

 

PSYCHO-PASS GENESIS 1 (ハヤカワ文庫 JA ヨ 4-6)

PSYCHO-PASS GENESIS 1 (ハヤカワ文庫 JA ヨ 4-6)

 

 

 

PSYCHO-PASS GENESIS 2 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASS GENESIS 2 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 

PSYCHO-PASS GENESIS 3 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASS GENESIS 3 (ハヤカワ文庫JA)

 

 TVアニメ『PSYCHO-PASS』の本篇へ繋がる前史時代を描く長篇スピンオフシリーズですが、全4巻完結予定で現在、3巻まで刊行。最終4巻は年内には刊行予定です。

1・2巻ではTV1期シリーズに登場した執行官「征陸智己」の青年時代を主人公とし、法制度の大転換期の混乱を描き、3・4巻ではそれよりさらに過去の時代に飛び、本スピンオフシリーズのオリジナルキャラクターである女性麻薬捜査官「真守滄」を主人公とし、シビュラシステム完成の根源に迫ります。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

また、これ以外にもオリジナルの「料理」を主題とした短篇SF小説「未明の晩餐」が『伊藤計劃トリビュート』に収録されております。

 

伊藤計劃トリビュート (ハヤカワ文庫JA)

伊藤計劃トリビュート (ハヤカワ文庫JA)

 

 こちらは第二長篇として予定していたものを短編化したため、いつか連作短編などでシリーズ化したいと考えてはいるのですが、それはまた今後の展開次第ということで。

 

というわけで以上、新作から近著作まで紹介いたしました。

どの小説も全力を賭して書き上げております。興味をお持ちいただけたら、どうぞご一読くだされば幸いです。

 

吉上亮 拝

【長らくご無沙汰】新刊と最近のお仕事情報【すみません】

【新刊情報】

○新刊『PSYCHO-PASS ASYLUM 2』(早川文庫JA)発売

TVアニメ『PSYCHO-PASS』のスピンオフノヴェライズ第2巻『PSYCHO-PASS ASYLUM 2』が、都内など早いところでは、明日11/21より、発売となります。

本作には、SFマガジン掲載の弥生・志恩篇に加え、書き下ろしで宜野座伸元篇が収録されます。また、あとがきで、前巻『PSYCHO-PASS ASYLUM 1』収録のグソン・縢篇を含む各篇への著者コメントを添えております。

どうぞ、よろしくお願い致します。

↓書影は下記のリンクから。鮮やかな白い表紙に弥生と宜野座(若)が目印です↓


PSYCHO−PASS ASYLUM 2:ハヤカワ・オンライン

 

Amazonからの購入はこちらから↓

PSYCHO-PASS ASYLUM 2

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【イベント出演情報】

今月の27日に、五反田の「ゲンロンカフェ」で開催されるイベント「大森望のSF喫茶」にゲスト出演いたします。自著作についての話もしつつ、今後の「PSYCHO-PASS」スピンオフノヴェライズの情報や、これまでの連載内容の裏話などを始め、様々に話す予定です。

※質問タイムに、色々とお答えできればと思いますので、「ここは聞いておきたい!」などありましたら、ぜひどうぞ。

 

【大森望のSF喫茶 #10】 大森望×吉上亮「パンツァークラウンからPSYCHO-PASSへ――ポストサイバーパンク、現在進行形」 @nzm @ryoshigami | Peatix

 

【既刊/寄稿/雑誌掲載情報】

…というわけで、すっかり放置している間に色々と本が出たり、短篇を寄稿などさせていただきましたので、順番にご紹介を。

○『PSYCHO-PASS ASYLUM 1』(早川文庫JA)発売中です。

すでに2巻が出てしまうタイミングですが、9月にTVアニメ『PSYCHO-PASS』のスピンオフノヴェライズ第1巻『PSYCHO-PASS AYLUM 1』(早川文庫JA)にて刊行いたしました。お陰さまで三刷。2巻で本シリーズを知った方も、未読の方も是非ご一読ください。チェ・グソン篇/縢秀星篇を収録しております。

PSYCHO-PASS ASYLUM 1 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASS ASYLUM 1 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

○『楽園追放 rewired サイバーパンクSF傑作選』(早川文庫JA)に短篇『パンツァークラウン レイヴズ』を寄稿いたしました。

 今月公開された劇場SFアニメ作品『楽園追放 Expelled from paradise』(監督:水島精ニ/脚本:虚淵玄)と連動し、10月に刊行されたアンソロジー集『楽園追放 rewired サイバーパンクSF傑作選』に、短篇『パンツァークラウン レイヴズ』を寄稿いたしました。昨年に刊行した拙著『パンツァークラウン フェイセズ』(全三巻/早川文庫JA)の前日談となる内容で、極度に情報化された都市に翻弄される少女の地獄巡りの物語となっております。どうぞ、よろしくお願い致します。

 

 

○『S-Fマガジン11月・12月号』に『PSYCHO-PASS』ノヴェライズが掲載されました。

TVアニメ『PSYCHO-PASS』のスピンオフノヴェライズ弥生・志恩篇の前後篇が、それぞれ『S-Fマガジン11月・12月号』が掲載されました。これにて5ヶ月連続連載は一区切りとなります。初の連載ということで難儀することもありましたが、多くのことを学べました。ありがとうございました!

なお、弥生・志恩篇は、11/22発売の『PSYCHO-PASS ASYLUM 2』に大幅改稿のうえ収録されておりますので、ご興味を持った方は、単行本のほうをどうぞ。

S-Fマガジン 2014年 11月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2014年 11月号 [雑誌]

 

 

S-Fマガジン 2014年 12月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2014年 12月号 [雑誌]

 

 

また、12月発売の『S-Fマガジン』にて、TV本編一期登場の主要キャラクター「征陸智己』の青年時代を描く『PSYCHO-PASS GENSIS』第一部の予告篇が掲載される予定です。こちらは、また後ほど、詳細をお伝えいたします。

 

iOS/Androidアプリ『妖怪百姫たん!』でストーリー構成とメインシナリオを担当させていただきました。

次は、少し毛色が変わってゲームシナリオのおはなし。

縁あって、KADOKAWA エンターブレイン・ブランドカンパニーよりリリースされたiOS/Androidアプリ『妖怪百姫たん!』のストーリー構成とメインシナリオを担当させていただきました。美少女妖怪が登場するゲームアプリですので、普段の作風と較べ、かなり明るく楽しい内容となっておりますが、現在作業中の追加シナリオは、何だかいつもどおりなテイストになりつつある気が…。

とはいえ、ゲームシステムがなかなか面白いですので、ご興味を持たれたらどうぞ!


ボイスつき妖怪憑依RPG「妖怪百姫たん!」公式サイト

 

以上となります。何だかんだ今年の後半は、けっこう仕事をした気が…。

ではでは、また。

 

吉上 拝